会社を売る・継がせる・たたむ。いまの状況から、読むページを選べます
売ると決めていなくても、読んで構いません。許可や資格者の整理には時間がかかり、買い手と引き合わせるまでにも、通常は数か月から1年ほどかかります(中小M&Aガイドライン)。決めていない段階のほうが、選べる道は多いのです。
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いまの状況から選ぶ
- 後継者がいない:継がせる相手がいない会社に残る道は4つあります
- 会社をたたむか、売るか:たたむ費用と、売ったときの手取りを並べて比べられます
- 許可や資格を持つ人が辞める、辞めた:営業所技術者、主任電気工事士、経営業務の管理責任者が抜けたときの期限と道
- 社長が病気、入院した:仕事の話は、治療のあとで構いません
- 社長が亡くなった:ご家族や社員の方が、最初の期限を確かめるページです
- M&A会社から手紙や電話が来た:断り方と、怪しい仲介の見分け方
- 他のM&A会社と話が進んでいる:契約書で確かめる10項目
- 従業員のことが気がかり:雇用が続く仕組みと、伝える順序
- うちは小さい会社だから:社員数人の会社でも、値段がつくことはあります
- 家族に、まだ話せていない:家族会議の進め方
- いくらで売れるか知りたい:匿名・登録不要の目安診断。国の集計で見る売却相場もあります
確認しておくことをチェックリストにまとめました。登録は不要で、そのまま印刷して社内でお使いいただけます。 経営者保証が気になる方は会社を売ったら社長の個人保証は外れるか、 費用の目安は手数料のページをご覧ください。
許可や資格を持つ人が辞めるとき、期限は2週間です
建設業許可は、経営業務の管理体制か営業所技術者の基準を満たさなくなったとき、2週間以内に届け出なければなりません。 そして許可行政庁は、許可を取り消さなければならないと決められています。取消しは裁量ではなく義務です(建設業法第11条第5項、第29条第1項第1号)。 電気工事業法の主任電気工事士も、欠けたときは知った日から2週間以内に選任します(同法第19条)。
社長が経営業務の管理責任者を一人で担っている会社では、社長の退任がそのまま許可の期限になります。 ただし2020年10月の改正で、満たし方は広がりました。常勤役員等の1人が建設業で5年以上の経営経験を持つ形のほかに、 建設業で2年以上の役員経験と、役員等として5年以上の経験を持つ人が、財務・労務・業務運営の経験者を直接の補佐者として置く形もあります(建設業法施行規則第7条第1号)。 自社がどの形で許可を維持しているかを、許可通知書と役員の経歴で確かめるのが最初の一手です。
期限と選択肢は許可・登録の承継に、個別の場面は 主任電気工事士がいない・退職したら、 営業所技術者が退職したら、 経営業務の管理責任者が退任・死亡したら|建設業許可を残す3つの手と2週間の期限にあります。
社長が倒れた、亡くなったとき、会社を調べ始めるのは周りの人です
東京商工リサーチの集計では、2026年度上半期の「後継者難」倒産263件のうち、代表者の「死亡」が120件、「体調不良」が105件で、合わせて85.5%でした。 帝国データバンクの集計では、同じ期間に「経営者の病気、死亡」を主因とする倒産が204件あり、2000年度以降で初めて200件を超えています。 二社は数える対象が違うため、数字は一致しません。東京商工リサーチは「後継者難」倒産という区分の内訳で、帝国データバンクは倒産全体を主因別に分けた区分です。
社長本人が動けなくなってから会社のことを調べ始めるのは、ご本人ではなく、ご家族や社員のこともあります。 亡くなった直後の期限は社長が亡くなったときに並べました。 体調に不安があるうちにできる準備は社長が病気になったらに、 ご家族の立場の方の入口はご家族・社員・顧問の方へにあります。
M&A会社の手紙や電話は、断ってかまいません
東京商工リサーチの2025年10月の調査では、M&A仲介業者から何らかのアプローチを受けたことのある企業は82.6%(中小企業は83.0%)でした。 受けたこと自体は、珍しくありません。 国も動いています。中小企業庁とM&A支援機関登録制度の事務局は2026年9月1日、営業先の停止の意思を無視して営業を再開した登録機関に、再度の注意を出して公表しました。 M&A支援機関協会の自主規制ルールも、断られたあとの勧誘の継続を禁じています(会員が対象)。
中小M&Aガイドラインは、契約の前に、重要事項を書面で説明するよう仲介者に求めています。説明の項目は17あり、契約を急かされたときは、書面を先に求めてかまいません。 見分け方と角の立たない断り方はM&A会社から手紙や電話が来たらに書きました。
他のM&A会社と話が進んでいても、別の意見は聞けます
中小M&Aガイドラインは、専任契約を結ぶ場合でも期間は最長で6か月から1年を目安とし、意見を求めたい部分がはっきりしていて、妨げる合理的な理由がなければ、セカンド・オピニオンを求めることは許されるとしています(40ページ)。 事業承継・引継ぎ支援センターは、公的な窓口として、他の仲介者・FAの対応への疑問についても相談を受けられます(61ページ)。 契約書のどこを見るかは他のM&A仲介会社と話が進んでいる方へにあります。
たたむ費用が気になるとき
解散した会社の清算では、債権者に申し出を促す官報公告が要り、その期間は2か月を下回れません(会社法第499条)。 廃業は決めた日に終わりません。国のガイドラインは、判断が遅れた結果、廃業費用すら出せなくなるケースもあると書いています。 廃業と譲渡で手元に残る額を、自社の数字で並べる計算機を会社をたたむか売るかに置きました。 入力した数字は送信されません。
売ったあとの社長の役割は、契約で決まります
日本政策金融公庫総合研究所の2023年の調査で、廃業を予定している企業が廃業の際に問題になりそうなこととして挙げたのは、 「やめた後の生活費を確保すること」が29.7%、「自分の生きがいがなくなること」が19.2%でした。 売ったあとの暮らしは、確かに気がかりな点です。
中小M&Aガイドラインでは、最終契約で取り決める主要な内容に、経営者による引継ぎ期間を含む「経営者・役職員の処遇」が挙げられています(49ページ)。 譲渡の成立後も一定期間、経営に関与することを条件に成立した事例が示され(28ページ)、 クロージング後に役員退職慰労金を払う設計や、株式を段階的に取得する設計も例示されています(54ページ)。 即引退か、数年は残るかは、買い手との条件で決まります。
許可との関係も押さえておきます。経営業務の管理責任者や営業所技術者を社長が担っている会社では、社長が退くと基準を満たさなくなります。 代わる人がいれば2週間以内にその証明書類を出し(建設業法第11条第4項、同法施行規則第7条の2第2項)、いなければ許可は取り消されます。 株式譲渡のあとに前社長が退任するなら、後任の体制を先に準備しておくことになります。 保証については、前経営者が実質的な経営権を持たなければ、金融機関にとって「第三者」にあたる可能性があり、解除に向けた見直しが求められると、経営者保証ガイドラインの特則に書かれています。
契約の前に、取り決めておく項目
価格から入ると、話がまとまってから条件で揉めやすくなります。ガイドラインが最終契約の主要な内容として挙げる項目のうち、売り手の暮らしに直結するものは次のとおりです。
- 従業員の処遇
- 雇用の継続、給与水準、勤務地。努力義務として定めるか、条項にするかも取り決めの対象です。
- 社長がいつまで関わるか
- 即引退、1年、3年など。許可の要件と、後任の体制に直結します。
- 経営者保証の扱い
- 保証は自動では外れません。解除や引き継ぎの義務、外れなかったときの補償を契約に書くことが、ガイドラインに挙がっています。
- 屋号
- 地域や取引先との関係が屋号に結びついている会社では、残すかどうかも条件の一つになります。
- 知られたくない相手
- 同業・取引先・メーカーなど。買い手候補に打診する前に伝えておく事項です。
お預かりした情報の扱い、連絡の方法、買い手候補への打診の範囲は情報セキュリティ方針に書いてあります。
立場とお悩みから探す
社長ご本人、ご家族、社員、税理士の方など、立場を選ぶと、近いお悩みと読んでいただきたいページが出ます。
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業種ごとの詳しい話
承継で論点になることは、業種によってかなり違います。
- 電材卸・電設資材商社の事業承継とM&A
- 配電盤・制御盤製造の事業承継とM&A
- 計装工事の事業承継とM&A
- 電気工事の事業承継とM&A
- 消防設備工事・点検の事業承継とM&A
- 電気通信工事の事業承継とM&A
- 電気機器・産業用機器卸の事業承継とM&A
- 防犯・防災設備(弱電・セキュリティ)の事業承継とM&A
費用について
相談料・着手金・中間金・月額報酬はいただきません。 成約した場合の成功報酬のみで、最低300万円です。 買い手側からいただく金額も含めて手数料のページに全部書いてあります。
この記事の数字と条文の出典
- 中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」(本文28・29・40・47・49・54・61ページ):meti.go.jp
- 帝国データバンク「全国企業『休廃業・解散』動向調査(2025年)」:tdb.co.jp
- 東京商工リサーチ「2025年 休廃業・解散企業」:tsr-net.co.jp/「後継者難」倒産(2026年度上半期):tsr-net.co.jp/「M&A」アンケート(2025年10月):tsr-net.co.jp
- 帝国データバンク「倒産集計 2026年度上半期報」:tdb.co.jp
- 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業の事業承継に関するインターネット調査(2023年調査)」:jfc.go.jp
- 金融庁「『経営者保証に関するガイドライン』等の活用実績(2025年度)」:fsa.go.jp
- 中小企業庁・M&A支援機関登録制度事務局「不適切な営業行為に係るトラブルの発生を踏まえた対応について」(2026年9月1日):ma-shienkikan.go.jp/M&A支援機関協会 広告・営業規程:maa-a.or.jp
- e-Gov法令検索:建設業法、建設業法施行規則、電気工事業法、会社法、民法
- 全国銀行協会掲載「経営者保証に関するガイドライン 事業承継時に焦点を当てた特則」:zenginkyo.or.jp