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防犯・防災設備(弱電・セキュリティ)のM&A・事業承継

防犯カメラ・弱電工事会社のM&A・売却・事業承継

防犯カメラ、入退室管理、インターホン、非常放送。強電の電気工事でも、消防設備でも、警備業でもない谷間にある仕事です。建設業の業種区分にも、これらの名前は出てきません。承継では、何をどの許可と資格で請けてきたかを、最初に書き出す必要があります。

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弱電・防犯業界の現在地


数字はすべて官公庁・業界団体の一次資料から引用し、出典と年次を明記しています。 他社の記事に流通している出典不明の数値は使いません。

16,764業者 建設業許可(電気通信工事業)の業者数。弱電・防犯設備の工事は、工事の中身によって、電気工事業、電気通信工事業、消防施設工事業のどれかの許可で請けることになります 出典: 国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について(令和8年3月末現在)」 (2026年3月末)
16,075業者 建設業許可(消防施設工事業)の業者数。平成12年比は+0.4%、底の平成25年(14,925業者)からは+7.7%。許可の数であって会社の数ではない 出典: 同調査 表-3 (2026年3月末)
57.3% 建設業の後継者不在率(全業種で最高。全業種は50.1%) 出典: 帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」 (2025年)
約36.6% 建設業就業者478万人のうち55歳以上(175万人)の割合。全産業は約32.8%。いずれも総務省の公表値から当社が計算 出典: 総務省統計局「労働力調査 基本集計 第II-2-1表 年齢階級,産業別就業者数」 (2025年平均)
承継の実務

弱電・防犯の承継で、実際につまずくところ。


許認可と有資格者の整理は、譲渡が成立するかどうかそのものを左右します。 ここを後回しにすると、条件が固まってから話が振り出しに戻ります。

01

電気工事・電気通信工事・消防施設工事のどの許可で請けているか

国土交通省の業種区分の例示に、防犯カメラ、入退室管理、インターホンという名前はありません。工事の中身で、電源や構内配線は電気工事、有線・無線の電気通信設備やデータ通信設備は電気通信工事、火災報知設備や非常警報設備は消防施設工事に分かれます。1つの現場に複数が混ざることもあります。どの許可で請けたかが曖昧なまま承継すると、500万円以上の工事で、持っていない業種の許可のまま請けていたことが、調査で見つかる場合があります(500万円未満の軽微な工事は許可が要りません。建設業法施行令1条の2)。

私たちの進め方

直近3年の受注案件を、請負代金と工事内容で、電気工事、電気通信工事、消防施設工事、500万円未満の軽微な工事に分けます。区分に迷う工事は、許可行政庁に確認した記録を残します。国土交通省の資料では、電気通信設備の保守に関する役務は電気通信工事に該当しないとされているので、保守だけの契約は、工事とは分けて集計します。

02

異常時の駆けつけまで請けているなら、警備業の認定が絡む

警備業は、他人の需要に応じて、事故の発生を警戒し、防止する業務を行う営業で、営もうとする人は都道府県公安委員会の認定が要ります(警備業法2条、4条)。センサーが感知した情報を離れた施設に送り、受信して行う機械警備業務を行う場合は、認定に加えて、基地局や対象施設のある都道府県ごとの届出と、基地局ごとの機械警備業務管理者の選任も要ります(同法40条、42条)。警察庁の解釈運用基準は、受信機器が警備業務対象施設以外の施設にある場合に限って機械警備業務の装置に当たるとし、同一建造物の内部で完結する装置は当たらないとしています。設備の設置と保守だけの会社は、請け負う中身が警備業務に当たるかどうかで、認定の要否が分かれます。認定を受けた法人の役員が、破産手続開始の決定を受けて復権していない、一定の刑の執行後5年を経過していない、といった欠格事由に当たると、警備業を営めず、認定は取り消されることがあります(同法3条、8条)。株式譲渡で役員が代わる場合は、新しい役員の確認が要ります。

私たちの進め方

異常時の駆けつけや、受信センターでの監視を請けているかどうかを、最初に確認します。請けている場合は、認定、基地局の届出、機械警備業務管理者と警備員指導教育責任者の選任状況を棚卸しします。警備業法の条文には、認定を譲渡や承継で移す規定は見当たりません。譲渡の形式ごとの扱いは、管轄の公安委員会に確認してください。

03

非常放送や火災報知設備は、消防の区分に入る

非常ベル、自動式サイレン、放送設備(非常放送)は、消防法施行令7条3項の非常警報設備で(設置基準は同令24条)、消防用設備等です。建設業の区分でも、火災報知設備工事と非常警報設備工事は、消防施設工事の例示に入っています。ただし、消防設備士でなければ行えない工事の一覧(同施行令36条の2)には、非常警報設備は入っていません。自動火災報知設備は、電源の部分を除いて一覧に入っていて、甲種第4類の免状が要ります。弱電だからと一括りにしていると、免状が要る工事を、免状を持たない人が行っていないかの確認が漏れます。

私たちの進め方

取り扱っている設備を、消防設備士の免状が要るもの、免状は要らないが消防施設工事に区分されるもの、防犯系で消防法の対象外のものの3つに分けて、一覧にします。免状が要るものについては、実際に工事をした人の免状の類を確認します。

ここまで読んで「うちはどうだろう」と思われたら、 そこがご相談のタイミングです。

売却をお決めでなくて結構です。費用はかかりません。匿名でもかまいません。

許可・登録を、もっと詳しく

評価される点

決算書に出ない、弱電・防犯の値打ち。


保守契約の本数と、既設物件のリスト

防犯カメラ、レコーダー、入退室管理の機器は、使い続けるうちに入れ替えの時期が来ます(周期は機種と使い方で違います)。既設の物件と保守契約の本数を押さえていることは、次の更新工事の見込み先を持っていることと同じです。

買い手がここを見る理由

新規開拓の費用をかけずに、次の工事の見積を出せる先のリストになります。買い手が見るのは本数だけでなく、契約の更新月、機器の設置年、保守の範囲です。保守の範囲が遠隔の確認までなのか、異常時の駆けつけまで請けているのかは、後述の警備業の論点に直結します。

メーカーとの施工店・販売店の契約条件

機器メーカーとの施工店・販売店の契約は、法人と結ぶものです。メーカーの保証や保守のサポートを受けるために、施工店としての登録や講習の修了が条件になっている製品があるかは、会社ごと・製品ごとに違います。契約上の地位を第三者に移すには、相手方の承諾が要ります(民法539条の2)。

買い手がここを見る理由

株式譲渡なら契約の当事者の法人は変わりませんが、契約書に株主の変更や解除の条項があるかは別の問題です。買い手は、取扱いの多いメーカーから順に、契約書と、登録・講習の名義が誰になっているかを確かめます。名義が退職しそうな個人になっていると、そこから外れます。

納入先の種類と、官公庁の実績

マンション、商業施設、学校、病院、工場、公共施設。どの施設に納めてきたかで、買い手にとっての価値が変わります。物理セキュリティ事業のセキュアは、開示資料で、施工に強みを持つ会社と、官公庁実績と専門人材を擁する会社を順次グループに迎え、施工体制と地方・官公庁の販路を広げてきたと述べています。

買い手がここを見る理由

施設の種類ごとに、求められる仕様や、発注の手続きが違います。官公庁や学校のように、実績がないと入りにくい販路は、自力で作るのに時間がかかります。実績は、施設名ではなく、種類、規模、竣工年、元請の別で整理しておくと、個別の取引先を明かさずに示せます。

管理会社・警備会社からの継続的な発注

ビル管理会社や機械警備の会社から、継続して工事や保守が来ているか。発注元が管理会社の場合、その物件の管理会社が替わると、保守の発注先も一緒に動くことがあります。

買い手がここを見る理由

安定した発注元は、買収後の売上の下支えになります。ただし発注元の側の事情で動く売上かどうかは、買い手が必ず確かめる点です。発注元ごとの売上と取引年数、物件数を出しておくと、依存の度合いが説明できます。

買い手

弱電・防犯を、誰が買うのか。


売り手の方が最初に知りたいのは価格ではなく、「本当に相手がいるのか」です。 この業種の買い手になりうる会社を、類型ごとに整理しました。

物理セキュリティ事業者(施工力と販路の取り込み)

自社で機器やシステムを売る会社が、施工を担う会社や、官公庁に実績のある会社をグループに入れる形です。

公表されている買収事例
  • セキュア(物理セキュリティ、東証グロース)は2026年7月1日、防犯機器メーカーのテスコムジャパンの完全子会社化の手続きを完了した。この開示資料は、同社がこれまでに、施工に強みを持つジェイ・ティー・エヌ、官公庁実績と専門人材を擁するメディアシステムなどをグループに迎え、施工体制と地方・官公庁の販路を拡充してきたと説明している。テスコムジャパン自体は施工会社ではなく、CCTV機器などの製造・販売会社。 出典

※ 公表情報をもとにした業界動向の紹介であり、いずれも当社が関与した案件ではありません。

電気工事・電気通信工事会社

守備範囲を弱電まで広げるための統合です。電気工事と電気通信工事の許可を併せ持つ会社同士なら、受注できる工事の幅が、そのまま広がります。

ビルメンテナンス・不動産管理会社

管理している建物のセキュリティ設備を、自社で持つ狙いです。管理会社のルートを持つ会社は、継続的な発注元として見られます。

公表されている買収事例
  • ハリマビステム(ビルメンテナンス、東証スタンダード)は2025年7月16日、武蔵野通信(東京都八王子市。セキュリティーシステム工事、省エネ・節電対策工事、消防施設工事、LED事業)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。取得価額は非公表。 出典

※ 公表情報をもとにした業界動向の紹介であり、いずれも当社が関与した案件ではありません。

消防設備会社・防災のサブコン

防災と防犯をまとめて請けられる体制づくりです。消防設備士の免状を持つ人を抱える会社が、電源や配線を伴う弱電の工事を自社の範囲に入れる動機になります。

親族・社内への承継(売らない選択肢)

2025年に代表者が交代した企業の承継手段は、全業種の速報値で内部昇格36.1%、同族承継32.3%、M&Aなど20.6%、外部招聘7.6%でした(帝国データバンク)。小さな会社でも、番頭や技術者への承継を、買い手を探す前に比べておく価値があります。

進め方

最初の一歩は、匿名の相談で結構です。


  1. 1

    匿名でご相談

    社名の入力は任意です。売却をお決めでない段階のご相談を歓迎します。相談に費用はかかりません。

  2. 2

    許認可と有資格者の棚卸し

    防犯・防災設備(弱電・セキュリティ)の承継で最初に確認すべき許認可・資格の状況を整理します。ここに問題があると後の工程がすべて崩れるため、最優先で行います。

  3. 3

    企業価値の整理と資料づくり

    決算書に出ない価値を、買い手に伝わる形の資料に整えます。ここが評価額を最も大きく動かします。

  4. 4

    買い手候補の選定と打診

    打診してほしくない先を最初に伺い、候補から外します。秘密保持契約を結ぶまで、社名や所在地は買い手候補に伝えません。

  5. 5

    条件交渉・最終契約・引き継ぎ

    価格だけでなく、従業員の雇用、代表者保証の解除、引き継ぎ期間まで含めて条件を設計します。

弱電・防犯業界の主な団体

公益社団法人 日本防犯設備協会
防犯設備士(民間資格)の認定と、優良防犯機器認定(RBSS)を運営
よくあるご質問

弱電・防犯の承継について、よくいただく質問。


うちは「弱電屋」ですが、この分類でよいのでしょうか。
防犯カメラ、入退室管理、インターホン、非常放送のような、電力を扱う強電以外の設備を請けているなら、この分類に近い会社です。ただし建設業の業種区分に「弱電」という名前はなく、案件ごとに、電気工事、電気通信工事、消防施設工事のどれかに分かれます。まず自社の工事を、どの区分で請けてきたかで整理するのが入口です。
防犯カメラの設置に、警備業の認定は必要ですか。
認定が要るかどうかは、請け負う業務の中身で決まります。警備業は、他人の需要に応じて、事故の発生を警戒し、防止する業務を行う営業です(警備業法2条)。設備の設置や保守だけでなく、異常時の駆けつけや監視を請けているかが分かれ目になります。判断に迷う場合は、管轄の公安委員会に確認してください。
非常放送も扱っています。消防設備士の免状は必要ですか。
非常放送は、消防法施行令の非常警報設備で、消防用設備等です。ただし、消防設備士でなければ行えない工事の一覧には、非常警報設備は入っていません。入っているのは、自動火災報知設備(電源の部分を除く)、屋内消火栓、スプリンクラーなどです。自動火災報知設備にも手を入れているなら、甲種第4類の免状を持つ人が行っているかを確かめてください。
機械警備はやっていません。それでも売れますか。
売れます。警備業の認定が絡まない会社は、譲渡のときに確認する項目が少なくなります。認定がある会社では、役員の欠格事由の確認や、機械警備業務管理者の選任などが加わるためです。保守契約と既設物件を持っていることが、評価の中心になります。
既設物件のリストは出したくないのですが。
一般にM&Aの初期段階で、物件の名称までは求められません。件数、施設の種類別の内訳、年間の保守料の合計、契約年数の分布のように、個々の物件が特定されない形で足ります。名称を含む詳細は、秘密保持契約を結んだあとに、買い手候補から求められるのが通常です。それまでに、物件の一覧を作っておくと、話が早く進みます。
商流でつながる業種

川上と川下も、まとめて見ています。


電材卸から電気工事、盤の製造、計装まではひとつの商流です。 だから、業種をまたいで買い手をお探しできます。

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弱電・防犯のことは、弱電・防犯を知る相手に。

売却をお決めでない段階で結構です。
「うちはいくらぐらいなのか」だけでも、お答えできます。

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