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補助金・2026年11月6日17時締切

事業承継・M&A補助金16次を、電気工事会社・電材店の目線で読む


16次公募の締切は2026年11月6日(金)17時です。売る側の小規模な会社なら、仲介・FAの手数料の3分の2(上限450万円)が補助される可能性があります。ただし対象は登録されたM&A支援機関への支払いだけで、契約は交付決定のあとに結ぶ必要があり、採択も保証されません。

最終更新:

16次公募の状況(2026年10月14日確認):受付中

申請は2026年11月6日(金)17時までで、Jグランツから行います。

当社の登録状況

松本電業は、M&A支援機関登録制度に登録していません。当社の手数料は現時点でこの補助金の対象にならず、当社の見積を相見積の1社に数えることもできません。登録状況に変わりがあれば、このページと手数料のページに載せます。登録業者は登録支援機関データベースで探せます。

締切は11月6日17時。最初の関門はGビズIDプライム

申請を受け付けるのは、デジタル庁の補助金申請システム「Jグランツ」だけです。ログインに必要な「GビズIDプライム」は、発行まで1〜2週間、混雑時は3週間かかると公募要領にあります。取得には、発行から3か月以内の印鑑証明書の原本、押印した申請書、代表者ご本人のメールアドレス、SMSを受け取れる電話番号が要り、書類は郵送です。

2026年10月14日に申請したとして、3週間かかれば11月4日になります。締切の2日前です。まだ取得していない会社は、ほかの準備より先にここを動かします。

項目 日程
公募要領の公開2026年9月4日
公募申請の受付2026年10月2日(金)〜11月6日(金)17時(厳守)
採択2026年12月下旬以降、順次(予定)
交付申請2027年1月上旬〜11月中旬(予定)
交付決定2027年1月下旬以降、順次(予定)
補助事業の実施期間交付決定日から2028年3月中旬まで(予定)。小規模売り手支援類型の要領には「2027年1月(下旬予定)から14か月以内」とある
実績報告2027年6月上旬〜2028年3月下旬(予定)
補助金の交付2027年10月上旬以降、順次(予定)

出典:事業承継・M&A補助金事務局の16次公募ページ。「予定」の日程は変更されることがあります。2026年10月14日確認。

補助金は、手数料を払い終え、実績報告と確定検査を終えたあとに交付される実費弁済です。仲介手数料への補助が入るのは、早くても2027年10月です。その間の手数料は立て替えになるので、資金繰りに組み込んでおきます。

補助の対象は、登録されたM&A支援機関に払う手数料だけ

専門家活用枠で補助されるのは、「M&A支援機関登録制度」に登録されたFA・仲介業者が支援した分の手数料です。公募要領は、着手金、マーケティング費用、基本合意時の報酬、成功報酬、価値算定費用を、登録が必要な経費に挙げています。登録の有無は交付決定のときに確認され、満たしていないと、実績報告のあとの確定検査で経費として認められません。

登録が要らない経費もあります。財務・法務のデュー・ディリジェンス(買い手による調査)の費用と、仲介を伴わないマッチングサイトの利用料です。

相見積の相手も、登録業者でなければなりません。事務局のよくある質問は、登録が確認できない見積は無効とみなすことがあると答えています。登録のない業者は、この補助金を使う案件では、見積の1社にも数えられないということです。

登録業者は、中小企業庁の「登録支援機関データベース」で探せます。2026年10月14日の表示で3,362件。手数料の最低額、M&A支援業務の専従者数、成約実績件数で並べ替えられ、成功報酬の算定方式(レーマン方式の基準)も一覧で見られます。掲載は各機関の自己申告にもとづくため実際と違うことがある、という注意書きが同じページにあります。

登録支援機関データベースを開く 手数料の簡易計算を開く

見積の見方は、レーマン方式の基準が違うと手数料が何倍も変わる理由と手数料のページに書きました。

立場ごとに区分は6つ。売る側の小規模な会社が見るのは最初の2つ

16次公募の枠は、事業承継促進枠、専門家活用枠、廃業・再チャレンジ枠、PMI推進枠(M&A後の統合費用)の4つです。PMI推進枠は、下の表に入れていません。

区分 使う人 補助率 上限額
小規模売り手支援類型(専門家活用枠) 売る側。小規模事業者等 2/3以内 450万円。廃業費の併用で+150万円。クロージングしなければ50万円
売り手支援類型・通常(専門家活用枠) 売る側。中小企業者等 1/2以内。営業利益率の低下、または直近決算期の営業利益か経常利益が赤字なら2/3以内 600万円。DD費用で+200万円、廃業費で+300万円。クロージングしなければ300万円(原則DD費用のみ)
買い手支援類型・通常(専門家活用枠) 買う側。中小企業者等 2/3以内 600万円。DD費用で+200万円、廃業費で+300万円
買い手支援類型・100億企業特例 買う側。売上100億円を目指す「100億宣言」をした会社 1,000万円以下の部分は1/2、超える部分は1/3 2,000万円。廃業費で+300万円
廃業・再チャレンジ枠(単独申請) M&Aで譲れなかった会社の株主、個人事業主 2/3以内 300万円
事業承継促進枠 親族内承継・従業員承継の後継者 小規模事業者等は2/3以内、それ以外は1/2以内 800万円(3%以上の賃上げで1,000万円)。廃業費で+300万円

出典:16次公募要領(専門家活用枠の2類型、100億企業特例、廃業・再チャレンジ枠、事業承継促進枠)。個別の補助額は事務局の審査で決まります。通常の売り手・買い手には、補助額50万円未満の申請は受け付けない下限があります。

小規模売り手支援類型と、上限800万円(上限600万円にDD費用の200万円を加えた額)の売り手支援類型は、同じ公募回では同時に申請できません。小規模に当たる会社は、どちらか一方を選びます。

小規模に当たるかは、業種と人数で決まる

小規模売り手支援類型の対象は「小規模事業者等」です。公募要領は、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(小規模事業者支援法)第2条に準じて、製造業その他は従業員20人以下、商業・サービス業は5人以下、サービス業のうち宿泊業・娯楽業は20人以下と定めています。「商業」は、卸売業と小売業を指します。

電材卸の基準は5人以下。電気工事は20人以下と読めます。

電設の事業 要領の区分 人数 どこまで確かか
電材の卸売(電材店・商社) 商業・サービス業 5人以下 要領に「『商業』とは、卸売業・小売業を指す」とあり、確実
制御盤・配電盤の製造 製造業その他 20人以下 製造業は表の区分名にそのまま入る
電気工事(電気通信工事、消防施設工事も建設業の許可業種) 製造業その他と読める 20人以下 推測。要領の表に建設業という語はない。小規模事業者支援法第2条は「製造業その他」と「商業又はサービス業」の2区分で、建設業は後者に入らないので前者と読んだ
工事と電材販売の両方を営む会社 分かれる 5人か20人 同法は「主たる事業」で区分する。要領に兼業の扱いは見つからなかった。事務局に確認する

人数の差は大きく効きます。営業、倉庫、配送を合わせて6人の電材店は、小規模に当たりません。その場合は通常の売り手支援類型で、対象は資本金1億円以下または従業員100人以下の卸売業です。電気工事会社や盤メーカーの通常側の基準は、資本金3億円以下または従業員300人以下です。

  • 人数に数えるのは、労働基準法第20条の「予め解雇の予告を必要とする者」です。正社員は含まれ、会社役員と個人事業主は含まれません。パート、アルバイト、派遣、契約社員は会社ごとの個別判断だと、事務局のよくある質問にあります。
  • 同居の家族従業員の扱いは、小規模の定義の側では確認できませんでした。賃上げ加点で同居の親族従業員を除くのは、別の基準です。
  • 中小企業者等の判定は、公募申請と交付申請の時点の情報で行うと、事務局は答えています。交付申請は2027年1月からなので、それまでの採用や退職で区分が変わる会社は、事務局に確認します。

人数を満たしても対象外になる会社があります。資本金5億円以上の法人に100%保有されている会社、直近3年の課税所得の年平均が15億円を超える会社、みなし大企業です。代表者が同じ法人は同一法人とみなされ、そのうち1社しか申請できません。工事会社と電材会社を同じ社長が持っている場合に効きます。法人は、設立登記と3期分の決算・申告が済んでいることも条件です。個人事業主は、開業届と青色申告承認申請書を出してから5年たっている必要があり、白色申告の一人親方は入口で外れます。

手数料が450万円なら、補助は300万円

譲渡額(モデル)9,000万円
報酬総額の見積(着手金込み・税抜)450万円(譲渡額の5%)
補助率2/3
補助額300万円(上限450万円の範囲内)

数字はモデルです。実際の手数料は業者ごとの見積で決まり、補助額は事務局の審査で変わります。消費税は補助対象経費に含まれないので、自己負担は150万円に消費税を足した額です。

小規模に当たる会社は、売り手支援の2つの類型から選べます。小規模は補助率2/3で固定、上限450万円。通常は上限600万円ですが、補助率は条件を満たさないと1/2です。手数料(税抜)の総額が変わると、補助額の上限はこう動きます。

手数料の総額 小規模(2/3、上限450万円) 通常・補助率1/2(上限600万円) 通常・補助率2/3(上限600万円)
300万円200万円150万円200万円
600万円400万円300万円400万円
900万円450万円450万円600万円
1,200万円450万円600万円600万円

当社計算。成立した場合の、補助対象経費だけを前提にした上限の目安です。通常の「2/3」は、営業利益率の低下、または直近決算期の営業利益か経常利益の赤字が条件です。

手数料が675万円以内なら、小規模は通常・2/3と同額で、通常・1/2より多くなります。675万円を超えると、通常・2/3の会社は小規模より多く受け取れます。通常・1/2の会社が小規模を上回るのは、900万円を超えてからです。うまく成立しなかった場合の差もあります。小規模は上限50万円、通常は上限300万円で、どちらも対象は限られます。

相見積は2者以上。最安でない業者を選ぶと対象外

補助対象経費は、原則として2者以上の相見積が必須です。見積書は公募申請の時点では要らず、採択後の交付申請で出します。仲介・FA費用の見積先は登録業者に限られ、最低価格を示した業者を選ばなかった場合は補助の対象になりません。

相見積が要らない例外は3つです。

  • 選定先以外の2者以上に見積を頼み、全社から作成を断られた場合。断られたと分かるメールなどの写しを付けます。
  • FA・仲介費用が、譲渡額(または移動総資産)に参照用のレーマン表を掛けた額以下の場合。5億円以下の部分の料率は5%です。「関与専門家選定理由書」を整えます。最低報酬額の定めがある見積には、相見積が求められます。
  • 成功報酬だけのマッチングサイトに複数登録して、その成約手数料を申請する場合。

例外の2番目のレーマン表は、中小企業庁が定めたものではなく、参照用の一般的な表だと公募要領に書かれています。

いま結ぶ仲介契約の手数料は、補助されない

補助の対象になるのは、交付決定のあとに結んだ契約の手数料だけです。

交付決定は2027年1月下旬以降(予定)です。公募要領は、専門家との委託契約を交付決定通知書のあとに結ぶよう求め、契約の締結日を「着手」の時点としています。事務局のよくある質問も、交付決定前に結んだ専門家契約は補助対象にならないと答えています。要領の表では、専門家契約が補助事業期間の前なら、最終契約も成功報酬の支払いも期間内であっても対象外です。

すでに仲介・FA業者と契約している会社が11月6日に申請しても、その業者への手数料は補助されません。補助を使うなら、仲介の契約は早くて2027年1月下旬以降で、3か月以上の待ちが出ます。待たずに契約すれば、補助は見込めません。上の計算の補助額と、3か月の重さを並べて決めることになります。

要領が着手の時点にしているのは契約の締結日です。業者から見積を取ることや、契約前に話を聞くことは、契約ではないと読めます。迷う場合は事務局に確認します。待つ間にできる準備は、事業承継の準備チェックリストで整理できます。

報酬の種類ごとの条件もあります。中間報酬は、補助事業期間内に基本合意書を結び(意向表明書は不可)、支払いを契約書に書いてあることが条件です。成功報酬は、期間内に最終契約を結んで支払う必要があります。

クロージングまで終わらないと、上限は50万円に下がる

上限450万円が使えるのは、補助事業期間内にクロージング(最終契約にもとづいて株式や事業を引き渡し、代金を決済して、経営権や所有権の移転を終えること)まで完了した場合です。完了しなかった場合は、上限が50万円に下がり、対象は着手金、システム利用料、DD費用になります。廃業費の併用分も対象外です。

電設会社で時間を食うのは、許可の引き継ぎです。事業譲渡で建設業許可を引き継ぐには、事前の認可が要ります(建設業法第17条の2)。知事許可の処理期間は都道府県ごとに違います。株式譲渡なら承継認可は不要という整理が法令の構造からは成り立ちますが、国土交通省がそれを明記した文書は確認できていません。許可と登録がどう動くかは、許可・登録の承継早見表にあります。

申請の前に、外れる条件を確かめる

  • 譲渡先が決まっていなくても、申請はできます。形態が未定でも構いません(事務局のよくある質問)。
  • 常時使用する従業員1名以上の引き継ぎが必要です。申請書類に、従業員1名分の労働条件通知書があります。従業員のいない一人親方は、ここでも外れやすくなります。
  • 親族間の承継、グループ内の再編は対象外です。親族や社員に継ぐ場合は事業承継促進枠になります。
  • 譲渡価格が補助対象経費に比べて低く、取引価格の合理性が確認できない場合は対象外です。「株式を1円で譲る」案件も、合理性が確認できなければ外れます。
  • 株式譲渡では、買い手が譲渡後に議決権の過半数を持つ必要があります。買い手の議決権が過半数に満たない形は対象になりません。
  • 株式譲渡の申請は、対象会社と、議決権の過半数を持つ支配株主(または株主代表)の共同申請です。
  • 国の他の補助金・助成金を使う事業は対象外です。
  • 申請は事業者本人が内容を理解して行うものです。理解が著しく不足していると、交付決定後でも取り消されることがあります。申請書の作成を有償で代行できるのは行政書士(法人)で、それ以外の者が行うと行政書士法違反になる可能性があると、要領に書かれています。

11月6日までの順序

次の日付は、公募要領の手順から当社が組んだ目安です。制度の期限ではありません。

  1. 10月中旬まで:GビズIDプライムを申請する。取得済みなら、ログインできることを確かめる。
  2. 10月下旬まで:小規模に当たるか数える(前の節の表)。判断に迷う点は、事務局の専門家活用枠の窓口(050-3145-3812、平日9:30〜12:00、13:00〜17:00)に聞く。
  3. 10月末まで:書類をそろえる。法人の場合は、履歴事項全部証明書、直近3期分の決算書、直近の確定申告書(別表一、二、四)、法人事業概況説明書、代表者の原本証明付きの株主名簿、従業員1名の労働条件通知書、代表者の住民票。履歴事項全部証明書と住民票は、申請日以前3か月以内のものです。個人事業主は必要書類が違うので、要領で確認する。
  4. 11月2日まで:Jグランツに入力して書類を添付し、提出する。添付ファイルにパスワードは付けない。締切日はアクセスが集中するおそれがあるので、前倒しにする(推測)。
  5. 提出後:差し戻しや再提出の依頼が来たら、すぐに対応する。
  6. 採択後(2026年12月下旬以降):登録業者の見積を2者以上取り、交付申請をする。交付決定を受けてから、業者と契約する。

加点の書類(経営力向上計画の認定書など)は任意です。持っている会社は、公募申請時に添付し直す必要があります。

採択は保証されない。15次の専門家活用枠は312件の申請に194件

15次公募の採択結果は、事務局が2026年9月11日に公表しました。専門家活用枠は申請312件、採択194件で、採択された割合は約62%です(当社計算)。類型別の内訳は公表ページにありません。

審査は、資格要件の審査のあとに書面審査があります。着眼点は、経営資源の引き継ぎの計画が期間内に適切に進むこと、譲渡の目的と必要性、譲渡による効果と地域経済への影響です。不採択の理由についての問い合わせには、事務局は一切応じないと要領にあります。

加点事由は9項目あります。「中小企業の会計に関する基本要領」などの適用、経営力向上計画や経営革新計画の認定、事業継続力強化計画の認定、健康経営優良法人、従業員1人当たり給与支給総額の2%以上の上昇を従業員に表明することなどです。賃上げを掲げて達成できなかった場合は、その後18か月、中小企業庁所管の補助金で大きく減点されます。

採択されたあとも、相見積の未取得や不備、支払方法や支払者の不備で、交付額が減ることがあります。補助金は後払いなので、不備は自己負担になって返ってきます。

たたむ場合は廃業・再チャレンジ枠。電設会社で対象になる費用

この枠は、M&Aで事業を譲れなかった会社の株主や個人事業主が、会社自体を廃業して新しいことを始める場合の補助です。単独で申請するには、次の条件がそろう必要があります。

  • 2020年以降に売り手としてM&Aに着手し、公募申請の受付終了日(11月6日)の時点で3か月以上たっていて、成約に至っていない。着手とは、事業承継・引継ぎ支援センターへの相談依頼、M&A支援機関との包括契約、マッチングサイトへの登録のいずれかです。自分でM&Aに着手した場合は対象外です。
  • 補助事業期間内に、会社自体の廃業(解散・清算の登記)を完了する。
  • 廃業後の再チャレンジの計画を作り、認定経営革新等支援機関の確認を受ける。再チャレンジには、新しい法人の設立、個人事業主としての新事業、自分の経験を生かせる会社への就職が例に挙がっています。

補助率は2/3以内、上限300万円で、補助対象経費が75万円に満たない申請は受け付けません。M&Aの類型と併せて申請する場合は、事業の一部だけの廃業も対象で、小規模売り手支援類型なら上限に150万円が上乗せされます。

経費 内容 電設会社での読み方
廃業支援費 廃業登記を頼む司法書士への費用、解散・清算・残余財産確定の各年度の会計・税務申告の専門家費用。上限50万円 解散と清算の登記、決算と申告が対象
在庫廃棄費 在庫の処分を専門業者に頼んだ費用。在庫を売って対価を得る場合の処分費は対象外 電線、盤、器具を売って現金化するなら出ない。売れずに廃棄する分が対象
解体費・原状回復費 建物や設備の解体費、借りていた設備を返すときの原状回復費 倉庫や資材置場の解体、事務所の原状回復
リースの解約費 解約金・違約金。ファイナンスリースの解約金・違約金は対象外 車両や工具のリースが、どちらの種類かは契約書で確認する
土壌汚染調査費 土地の使用履歴の調査にかかる費用 自社の土地や借地を返すとき

出典:廃業・再チャレンジ枠の16次公募要領。右の列は当社の読みで、要領の文言ではありません。

廃業届を出す前に、引き継ぐ相手がいるかを確かめる方法は廃業届を出す前にに、廃業と譲渡の比べ方は廃業か譲渡かにあります。小さな会社の場合は小さな会社の売り方も読んでください。

買う側の枠。100億企業特例は条件が重い

買い手支援類型(通常)は、補助率2/3以内、上限600万円です。DDを実施することが要件で、補助対象経費に入れるかどうかは問われません。買収後に買い手の議決権が過半数になること、シナジーを生かした生産性向上と、地域経済を引っ張る事業が見込まれることも要件です。買う側の「中小企業者等」の基準は、製造業その他が資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業が資本金1億円以下または従業員100人以下です。

上限2,000万円の100億企業特例には、次の条件が付きます。

  • 申請までに、買い手の「100億宣言」が「100億企業 成長ポータル」に公表されていること。
  • 被承継者に支払う最低の譲渡価額が5億円以上であること。
  • 被承継者の従業員の雇用を3年間維持すること。会社都合で減った場合は、減少率に応じて補助金の返還を求められます。

特例で不採択になっても、上限を縮めた通常の買い手支援類型には移りません。買う側の進め方は買い手の方へにあります。

親族や社員に継ぐ場合は、売り手支援ではなく事業承継促進枠

公募要領は、親族間の事業承継を売り手支援の対象外としています。親族内承継や従業員承継の後継者が、引き継ぐ経営資源を使って設備投資などに取り組む場合の枠が、事業承継促進枠です。補助率は小規模事業者等が2/3以内、それ以外が1/2以内。上限は800万円で、3%以上の賃上げを達成する計画なら1,000万円(800万円を超える部分は1/2以内)。補助額の下限は100万円です。公募申請の前に、認定経営革新等支援機関から事業承継計画の確認書を受ける必要があります。専門家活用枠やPMI推進枠とは、同じ公募回で申請できません。

継ぐ側の事情は親の会社を継ぐべきか迷ったらに、社員が継ぐ場合は従業員の雇用のページにあります。

東京都内の会社には、都の仕組みが別にある

東京都の「地域金融機関による事業承継ネットワーク構築支援事業」は、東京都信用金庫協会と東京都信用組合協会が実施しています。M&Aによる第三者承継の支援は、2026年9月7日に始まりました。

  • M&A支援補助金:成約手数料(税抜)の2/3、上限200万円。
  • M&A支援奨励金:参加するM&A支援機関に譲渡案件として登録すると、10万円。
  • 参加するM&A支援機関は、公募で選ばれたトランビとバトンズです。
  • 条件:都内に本店または主たる事業所がある中小企業者で、コーディネーター(中小企業診断士など)の支援を受けていること。交付申請の期限は、事業年度の1月の最終営業日です。

東京都中小企業振興公社の事業承継支援助成金(第3回)は、助成限度額200万円(申請下限額20万円)、助成率2/3以内で、受付は2026年10月13日から12月15日17時まで。申請はJグランツで、GビズIDプライムが要ります。後継者未定のAタイプは、FA・M&A仲介業者等との契約の経費も対象ですが、公社の短期支援を受けた事業者が対象です。

併用には注意が要ります。都のネットワーク事業は、公社の助成金Aタイプで同じ第三者承継の助成を受けていないことを要件にしています。国の補助金の要領は、国の他の補助金・助成金を使う事業を対象外とし、都の事業は「国・都道府県・区市町村等から本事業と同様の支援を受けていない」ことを要件にしています。同じ手数料に重ねられるかは、国と都の両方の事務局に確認してください。

顧問先に聞かれた税理士・行政書士の先生へ

  • 申請書の作成を有償で代行できるのは行政書士(法人)で、それ以外の者が行うと行政書士法違反になる可能性があります。委任するときは、行政書士証票の写しと、委任範囲が分かる委任契約書等の写しを提出します。
  • 認定経営革新等支援機関の確認書は、廃業・再チャレンジ枠の単独申請と事業承継促進枠で要ります。専門家活用枠は、事業計画についての確認書が不要です。
  • 会計に関する基本要領の加点には、顧問の会計専門家の印のあるチェックリストが要ります。
  • 顧問先が仲介業者を選ぶ前に、登録の有無と、契約の日が交付決定のあとになるかを確かめてください。

当社の位置づけと連携の考え方は、顧問税理士・会計事務所の先生へにまとめています。

よくある質問

事業承継・M&A補助金の16次公募は、いつまで申請できますか。

2026年11月6日(金)17時までです。申請はJグランツだけで受け付けます。採択は2026年12月下旬以降に順次、交付決定は2027年1月下旬以降に順次の予定です。公募の状況は2026年10月14日に確認した内容で、変更されることがあります。

電気工事会社は、小規模売り手支援類型の対象になりますか。

公募要領の人数基準は、製造業その他が20人以下、商業・サービス業が5人以下です。電気工事は建設業で、商業にもサービス業にも当たらないため、20人以下の区分と読めます。ただし要領に建設業という語はなく、これは当社の読みです。役員は人数に数えません。迷う場合は事務局(専門家活用枠 050-3145-3812)に確認してください。

補助金で仲介手数料はいくら下がりますか。

小規模売り手支援類型は、補助対象経費の2/3以内で上限450万円です。たとえば税抜450万円の手数料なら、補助は300万円です。ただし対象は登録されたM&A支援機関への手数料だけで、契約は交付決定のあとに結ぶ必要があり、補助金は支払いと実績報告のあとに交付されます。採択も保証されません。

松本電業に頼むと、補助金の対象になりますか。

現時点では対象になりません。この補助金で仲介・FAの手数料が補助されるのは、M&A支援機関登録制度に登録された業者への支払いだけで、当社は登録していません。登録業者は、中小企業庁の登録支援機関データベースで探せます。

会社をたたむ場合に使える補助金はありますか。

廃業・再チャレンジ枠があります。M&Aに着手して3か月以上たっても譲れなかった会社の株主や個人事業主が、会社自体を廃業して新しいことを始める場合に、廃業の費用の2/3以内(上限300万円)が補助されます。M&Aと併せて申請する場合は、事業の一部廃業も対象です。

東京都には、M&Aの手数料への補助がありますか。

東京都の「地域金融機関による事業承継ネットワーク構築支援事業」に、成約手数料(税抜)の2/3、上限200万円のM&A支援補助金があります。参加するM&A支援機関はトランビとバトンズで、都内に本店のある中小企業が対象です。東京都中小企業振興公社の事業承継支援助成金(第3回、2026年12月15日17時まで)も別にあります。国の補助金と同じ手数料に重ねられるかは、それぞれの事務局に確認してください。

補助金を前提に進め方を整理したいとき

売る、たたむ、継ぐのどれにするか決まっていない段階でも、補助金を使う場合の順序は整理できます。当社の手数料は補助の対象になりませんが、登録業者に頼むことを前提にした整理の相談は受けられます。数字は電設業界の事業承継データにもまとめています。

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出典

このページは、2026年10月14日時点で公表されていた内容の整理です。補助金は採択が保証されるわけではありません。制度や日程は変わることがあります。申請の前に、必ず事務局の最新の公募要領で最終確認してください。個別の可否は、事務局、税理士、行政書士に確認します。

更新履歴

2026年10月14日
新規公開。16次公募(受付:2026年10月2日〜11月6日17時、受付中)の公募要領Ver.1.0、事務局のよくある質問、登録支援機関データベース(全3,362件の表示)、東京都と東京都中小企業振興公社の公式ページを確認して作成。

「まだ決めていない」で、かまいません。

話を聞いたからといって、進めなければいけないことはありません。

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