業界の中の人しか書けないことを書きます。
後継者不足、人手不足、市場規模。その手の一般論はどこにでもあります。 ここでは、許可の承継で実際に何が起きるか、在庫のどこを見られるか、 といった実務の話を書きます。数字には必ず一次資料の出典と年次を付けます。
電気通信工事だけが増え続けている──26年で54.5%増、そこで買われる会社の条件
建設業の許可業者はピークから19.5%減りました。そのなかで電気通信工事業は逆に54.5%増えています。増えている業種では「他社にない何か」がないと買い手は動きません。電気工事と一体で請けている会社が、承継で最初に整理すべき点を書きます。
読む →「うちは何屋なのか」を説明できない会社は、買い手に見つけてもらえない
防犯カメラ、入退室管理、非常放送。この仕事には業種の名前がありません。消防設備でも警備業でも電気工事でもない谷間にあるため、統計にも出ず、M&Aの検索にも引っかかりません。承継で最初にやるべきは、自社の輪郭を言葉にすることです。
読む →計装工事会社は「どの建設業許可で成り立っているか」で承継の難易度が変わる
計装工事は電気でも管でもない境界の仕事です。だから会社ごとに、電気工事業・管工事業・機械器具設置工事業・電気通信工事業のどれを軸に許可を取っているかが違います。この一点が、承継のときに誰を買い手にできるかを決めます。
読む →機器商社の価値は決算書ではなく、代理店契約書の1条項で決まる
電気機器・産業用機器の卸に許認可はありません。参入障壁は代理店権と人だけです。だからこそ、代理店契約に入っている支配権変動条項をどう扱うかで、いちばん価値のあるものが残るか消えるかが決まります。順序を間違えると、売却そのものが成立しません。
読む →盤メーカーが「忙しいのに金がない」のは経営が悪いからではない
配電盤・制御盤は受注生産です。材料を先に買い、数か月かけて組み、納めてから入金される。この順番のせいで、受注が伸びているときほど手元の現金は減ります。買い手はこの構造を知ったうえで見ているので、決算書の見え方だけで自社を低く評価する必要はありません。
読む →消防設備の会社が買われるのは、26年間ずっと業者数が増えていないから
建設業の許可業者は平成12年から19.5%減りました。建築工事業は37.8%減。そのなかで消防施設工事業だけは、26年たっても業者数がほぼ変わっていません。増えも減りもしない。この構造が、買い手が消防設備会社を欲しがる理由です。
読む →棚卸金額は同じでも価値は正反対──電材卸の在庫は「年齢」で見られる
電材卸のM&Aで買い手が見るのは棚卸金額ではありません。定番品が回っている在庫と、10年動いていない特注品の山では評価が正反対です。品種別の在庫年齢をどう整理すれば、正当に評価されるかを説明します。
読む →電設インフラの会社を、いま誰が買っているのか
大和ハウスが住友電設を2,920億円で買収し、きんでんが弘電社にTOBをかけました。データセンターと人手不足を背景に、電設インフラの買い手は同業だけでなく異業種大手・電材商社・ファンドまで広がっています。公表情報から買い手の類型を整理します。
読む →社長が引退すると建設業許可が消える会社がある──経営業務の管理責任者という落とし穴
建設業許可の維持には「経営業務の管理責任者」の要件を満たす人が必要です。これを社長しか満たしていない小規模な電気工事会社・計装会社は非常に多く、退任と同時に許可が維持できなくなります。M&Aで最初に確認すべき理由と、時間が必要な対策を説明します。
読む →同じ「5%」でも支払額が倍違う──M&A手数料のレーマン方式は基準を見る
M&A仲介の成功報酬はレーマン方式が主流ですが、料率をかける「基準」が会社ごとに違います。株式価額か、移動総資産か。同じ譲渡価格でも支払額が倍近く変わる仕組みと、契約前に必ず確認すべき項目を説明します。
読む →盤メーカーの値打ちは設備ではなく「図面を描ける人」にある
配電盤・制御盤メーカーのM&Aで買い手が見ているのは工場や設備ではありません。単線結線図を読みシーケンスを組める設計者が何人いて何歳か、そして図面を出してくれる取引先をどれだけ持っているか。この業種特有の評価軸を説明します。
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