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小さな会社の承継

会社の値打ちは、人数では決まらない。


「うちみたいな小さい会社を、誰が買うのか」。もっとも多くいただく疑問です。ただ電設の業界には、社員数人の会社が買われる構造的な理由があります。買い手が欲しいのは規模ではなく、新しくは手に入らないものだからです。

「小さすぎる」と感じるのは、自然なことです

相談しても相手にされないのではないか。そう感じておられる方は多いですし、 実際に規模を理由に断られた経験をお持ちの方もいます。 M&Aの仲介は成功報酬で成り立っているため、報酬が採算に乗る規模から順に扱う構造があります。 断られたのは御社の値打ちが低いからではなく、仲介側の報酬の構造がそうさせているだけです。

買い手は、別のものを見ています。

買い手が欲しいのは、新規には手に入らないもの

電設の仕事をゼロから始めようとすると、何が要るか。数えてみます。

  • 建設業許可。経営経験のある役員と技術者の要件を満たして、はじめて取れます
  • 電気工事業の登録。営業所ごとに主任電気工事士(第一種電気工事士など)の選任が要ります
  • 有資格者。採用市場にほとんど出てきません
  • メーカーの取引口座。新規開設には年数がかかり、掛率や支払条件は一朝一夕には育ちません
  • 地場の得意先。長年の納期対応と掛売りの信用の上に成り立っています

どれも、お金を積めばすぐ手に入るものではありません。 そして、どれも会社の人数とは関係がありません。

規模は、あとから作れます。許可と資格と口座は、作れません

買い手が買っているのは、実は「時間」です。社員3人の会社でも、 許可・資格者・口座・得意先が残っていれば、買い手はそこに 「新規参入なら何年もかかるもの」を見ます。 小さい会社ほど、価値がこの数点に凝縮しています。

実際、小さな会社の成約は珍しくありません

国が全国に設置している事業承継・引継ぎ支援センターで令和6年度に成約した企業のうち、 68.0%は売上1億円以下でした。売上3,000万円以下だけで36.1%を占め、 業種別では建設業が12.2%です(中小機構)。 第三者への承継は、大きな会社だけのものではありません。

背景には、人が採れないという業界共通の事情があります。 建設業の後継者不在率は57.3%と全業種で最も高く(2025年、帝国データバンク)、 人手不足による倒産も113件と、初めて100件を超えました(2025年、帝国データバンク)。 職人と資格者を数人単位でそのまま引き継げることは、買い手にとって採用の代替になります。

誰がどんな理由で買うのかはこの会社を欲しがる会社は、いると思いますかに、 廃業も含めた道の数え方はこの会社に残された道は、いくつあると思いますかに書きました。

業種別に見る、社員数人でも評価されるところ

何が評価の中心になるかは、業種でかなり違います。

業種 規模と関係なく評価されるもの
電気工事 有資格者の人数と年齢、許可・登録の整理、保守契約の本数
電材卸 メーカー口座と仕入条件、地場の工事店との取引の広がり
配電盤・制御盤製造 盤を設計できる人と、図面を出してくれる取引先
消防設備 法定点検の継続契約。毎年切れない売上そのもの
計装工事 計装士の在籍と、更新が巡ってくる既設物件
電気通信工事 資格者と保守契約、施工実績
弱電・防犯設備 既設物件と保守契約、メーカーの施工認定

ちなみに配電盤・電力制御装置の製造業では、従業者20人未満の事業所が65.0%を占めます (『第14次業種別審査事典』)。小さいことは、この業界では例外ではなく標準です。 詳しい論点は業種別のページにまとめています。

一人親方に近い規模でも、形はあります

会社ごと株式を譲る形だけが、承継ではありません。

  • 事業譲渡(会社ではなく、事業だけを渡す形)—— 得意先との取引、仕掛かりの現場、車両や工具を、引き受け先の会社へまとめて渡します。 現場の引き継ぎ先探しや道具の処分といった、たたむときの後始末が減ります
  • 資格者としての移籍—— 事業は畳み、ご自身の資格・現場経験・得意先との関係を、受け入れ先の会社へ持って移る形です。 得意先には「会社は変わるが、担当は変わらない」と案内できます

正直に書きます。この規模では、大きな譲渡代金を期待する話にならないことが多いです。 それでも、取引先に迷惑をかけず、仕掛かりを最後まで引き継ぎ、 たたむ費用と手間を減らせる意味は小さくありません。 注意点もあります。事業譲渡では、許可・登録やメーカーの口座が自動では引き継がれない場合があり、 順序の設計が要ります。ここは形を選ぶ前に確認します。

小さい会社ほど、先に整えると評価が変わる

人数が少ない会社では、許可や資格の要件を社長お一人が背負っていることが多い。 そこが承継の最大の論点になります。

  • 建設業許可の「経営業務の管理責任者」を、社長以外に満たす人がいるか。 社長だけの場合、退任と同時に許可が維持できなくなります。 詳しくは社長が引退すると建設業許可が消える会社がある
  • 主任電気工事士が社長本人なら、電気工事業の登録にも同じ論点があります
  • 得意先との取引や保守契約が口頭のままなら、書面と一覧に。これは今日から始められます

確認しておく項目はチェックリストにまとめました。 登録は不要で、印刷して社内でお使いいただけます。

まず、値段が付くかどうかを見てみてください

私たちは1950年から電設資材を扱ってきた商社です。 社員数人の工事店や電材店が地域の現場をどう支えているかを、 資材を納める側から見てきました。だから、規模で入り口を分ける理由がありません。 費用は、売り手の方から相談料・着手金・中間金・月額報酬をいただかず、 成約した場合の成功報酬のみです。詳細は手数料のページに全部書いてあります。

売却をお決めでない段階で結構です。まず、企業価値の目安を出す診断で、 値段が付くかどうかを見るところから始めましょう。入力内容は送信されません。 お名前も連絡先も不要です。「うちに何が残っているか」の整理だけのご相談も、 こちらから承ります。

「まだ決めていない」で、かまいません。

話を聞いたからといって、進めなければいけないことはありません。

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