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公開: 最終更新: 配電盤・制御盤製造

補助金で買った設備は会社と一緒に譲れる?M&A前に確かめる財産処分の承認

この記事にはモデルケースが含まれます

記事中のモデルケースは、理解を助けるための架空の例です。 当社の成約実績ではありません。

盤の加工機、検査装置、倉庫の設備。買い手と譲渡後の使い方を話している途中で、「この設備は補助金を使って導入した」と思い出したら、売却の日程を決める前に書類を確認してください。

機械が今も動くこと、会社が所有していることに加えて、補助金の条件に沿って引き継げるかという確認が必要です。過去に受け取った補助金の書類が、これからの設備移設や売却に関係することがあります。

売却の前に「財産処分」という言葉を確かめる

補助金で取得した設備などには、一定期間、その使い方や譲渡を制限する条件が付くことがあります。ここでいう財産処分には、売却のほか、用途を変えること、他社へ貸すこと、担保に入れること、廃棄することなどが含まれます。対象や期間、必要な手続は制度ごとに確認します。

たとえば環境省の案内は、同省所管の補助金による財産について、交付目的に反する使用、譲渡、貸付、担保への提供などに事前承認が必要になることを示しています。間接補助金の場合は、交付手続を行った執行団体への問い合わせが案内されています。

したがって、設備に補助金が入っていると分かったら、「何年も前だから大丈夫だろう」と判断せず、正式な制度名、交付年度、交付元を探すところから始めます。

同じ名前の補助金でも、自社が受けた回の条件を確認することが重要です。

株を譲るのか、設備を別の会社へ移すのか

株式を譲るのか、事業用の設備などを譲るのかを、最初に分けてください。中小機構の第三者承継の案内は、株式を第三者へ譲渡する方法と、対象資産を具体的に特定して事業を譲渡する方法を説明しています。買い手と使っている「会社を引き継ぐ」という言葉が、どちらを指すのか確かめましょう。

そのうえで、設備の所有者、使用者、場所、用途に何が変わるかを整理します。株式を譲る案でも、代表者等の変更や、譲渡後の設備利用について確認を残さないことが大切です。たとえば事業再構築補助金の第13回公募の案内には、補助事業完了後の代表者名等の変更についても手続が掲載されています。自社が受けた制度・公募回の規程や交付条件に照らして確認してください。

次の三つは、買い手との話合いで想定できる運営案です。実際の相談事例ではありません。

  • 会社と設備をそのまま残し、従来の製品を作り続ける
  • 設備を買い手の工場へ運び、別の製品の加工にも使う
  • 設備の所有は売り手側に残し、買い手の会社へ貸す

一つ目でも必要な変更手続の確認は残ります。

二つ目では移設と用途変更を、三つ目では貸付をそれぞれ確認する必要があります。設備を売らずに貸す案にも、補助金上の制約が関わり得ます。

「同じ機械を使い続ける」という説明を、誰が所有するか、誰が使うか、どこで、何の事業に使うかに分けてみる。この整理によって、所管に尋ねる内容が具体的になります。

固定資産台帳と、補助金の書類を結び付ける

経理の固定資産台帳だけでは、どの設備にどの補助金を使ったかまで追えない場合があります。次の資料を設備名や製造番号で結び付ける方法を提案します。

  • 採択や交付決定、補助金額の確定に関する通知
  • 自社が申請した回の要領、交付規程、手引き
  • 実績報告書、取得財産の管理台帳
  • 発注書、請求書、支払記録、設備の写真
  • 過去の移設、用途変更、承継等についての照会・承認記録

補助金の入金記録も、制度を探す手掛かりになります。申請を手伝った支援者や設備販売会社とのメールが残っていれば、原資料の所在を確認しましょう。まず分かっている設備を一覧にし、制度名が不明な欄は不明のまま残します。

現物も一緒に確かめたいところです。

台帳上は一台でも、周辺機器を追加していたり、故障した装置を別の機器へ置き換えていたりすると、どこまでが補助対象だったかを確認する必要があります。製造番号、設置場所、現在の用途を記録しておけば、買い手による設備調査とも照合できます。

帳簿の償却が終わっていても、期間を照合する

処分制限の金額基準や期間を、全ての補助金に共通する数字で覚えるのは避けましょう。

一例として、事業再構築補助金の財産処分案内では、取得または効用の増加した税抜単価50万円以上の建物、機械器具等を対象とし、制限期間内の処分に事前承認を求めています。また、期間に用いる耐用年数について、税務申告上で実際に使っている耐用年数とは異なる点を明記しています。これは同補助金の説明であり、他の補助金へそのまま当てはめる基準ではありません。

自社の帳簿価額が小さいことだけを理由に、手続が不要とは判断しないようにします。事業再構築補助金の前記案内で、処分制限期間と税務申告上の実際の耐用年数が区別されていることも、その理由です。自社の交付書類と対象設備の区分を手元に置き、どの期間を使うのかを所管へ確かめてください。

承認と、お金を納める条件を別々に確認する

財産処分の承認が必要な場合、承認を得られるかという問いに加え、納付が必要か、必要ならどう計算するかを確認します。事業再構築補助金の前記案内にも、処分に伴う納付と、承認なしの処分による交付決定取消しの可能性が記載されています。

一方で、自社の納付額を一般的な計算例だけで決めることはできません。

制度、財産、処分方法、承認条件を照会し、その回答を価格や日程の検討に反映させます。「事業を続けるから必ず返還不要」「会社を売るなら必ず全額返還」と先に決め付けないことが大切です。

問い合わせの準備として、次の内容を短くまとめると話を進めやすくなります。

  1. 補助金名・交付年度・申請番号と、対象設備
  2. 現在の所有者、使用者、場所、用途
  3. M&Aの方法と、譲渡後に変えたい点
  4. 実行希望日と、まだ決まっていない条件
  5. 必要な申請・報告、審査日程、納付条件についての質問

最初の相談で扱いが確定するとは限りません。口頭の説明を受けた場合も、何を前提にした回答か、正式な申請や承認が別に必要かを確認して記録します。買い手候補の名前や会社資料を外部へ出すときは、秘密保持と開示範囲を事前に調整してください。

設備を動かす日まで、誰が担当するか決めておく

所管への確認が済んだら、売り手と買い手の間で、誰が資料を集め、誰が申請し、どの承認をいつまでに得るかを整理します。承認が予定日までに出ない場合の扱い、必要な納付の負担、引継ぎ後の報告担当も、弁護士等と契約条件へ落とし込みます。

買い手との合意だけで、補助金の条件を変更できるとは扱いません。

財産の移転や使い方を変える前に、必要な手続を完了できる計画にすることが要点です。

準備の全体は承継準備チェックリストでも確認できます。補助金名がまだ全部分からなくても、設備名、見つかった通知書、譲渡後の利用案があれば、確認すべき相手と順番を考え始められます。

無料相談では、「補助金で導入した設備がある」と最初にお伝えください。承認の可否は所管の判断を確かめながら、設備を使い続ける計画と会社を引き継ぐ日程を、一緒に整理していきましょう。

これから申請する補助金の案内は補助金のページに分けています。本稿は過去に交付を受けた設備の条件を確認する記事です。

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執筆:松本電業株式会社(電設承継パートナーズ)

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