安全運転管理を担う社長の退任前に|早朝・直行直帰の引継ぎ準備
記事中のモデルケースは、理解を助けるための架空の例です。 当社の成約実績ではありません。
たとえば、社長の退任日を決めた後で、社員から「朝6時の確認は、これから誰に連絡すればよいですか」と聞かれたとします。これは仮想例です。経営の引継ぎ予定には名前が並んでいても、日々どの時間帯に誰が対応しているかは、別に調べる必要があります。
安全運転管理者を兼ねる社長の承継では、候補者の名前を決める前に、現在の業務、運転のある時間帯、届出と記録の所在をそろえる方法を提案します。本稿は後任への説明と管轄警察署への相談準備を扱います。
車の一覧は、会社全体の合計から一歩進める
警察庁の制度概要は、安全運転管理者の選任を自動車の「使用の本拠」ごとに説明しています。
選任の要否には車両の台数や乗車定員等が関わり、対象外の事業所もあります。同じ資料には、管理者等の年齢・実務経験・欠格事項も掲載されています。警察庁「安全運転管理者制度の概要」
承継準備では、本社・営業所などの場所と、それぞれで使う車両を対応させます。車検証等の資料、普段の使用場所、リースの有無を、管轄へ説明できる形にまとめてください。この記事の一覧だけで、選任が必要な事業所や候補者の適格性を確定することはしません。
車両の名義や契約は工事車両・測定器のリース承継も参照できます。車を引き継ぐ予定と、管理者の仕事を引き継ぐ予定を、同じ日付の欄だけで済ませないことが要点です。
社長の勤務時間ではなく、連絡が来る時間を聞く
直近の予定表や記録を見ながら、最も早い業務開始、最も遅い終了、直行直帰や休日の運転がある日を挙げます。
通常の出社時刻だけを聞くより、後任が対応できる時間帯との差が見つけやすくなります。
準備用の表には「曜日・時間帯」「現在の連絡先」「現在の担当者」「退任後の確認が必要な点」を置きます。まだ決まっていない欄を、候補者の名前で仮に埋めないでください。後任の選任や補助する体制は、要件と実際の運用を確認して決める事項です。
警察庁Q&Aは、直行直帰時の確認方法をQ2、安全運転管理者以外の者に確認を行わせる場合をQ6で分けて説明しています。
Q6には事前の指定、指導・教育、報告と指示の条件があります。電話番号を渡したり、当番表に名前を加えたりするだけで、その条件を満たしたことにはなりません。本稿では具体的な確認方法を組み立てず、現在の方法と未確認点を、後任・実務担当者が公式資料と照合するために記録します。警察庁「酒気帯び確認等のQ&A」Q2・Q6
届出の控えと、日々の記録を別々に引き継ぐ
届出の控えには、選任した人、日付、届出先が分かるものをそろえます。警察庁は、選任した日から15日以内の届出を案内しています。相談に行く日と選任日を混同せず、退任予定を早めに管轄警察署へ伝えて準備してください。警察庁「制度概要」
警視庁の案内では、選任・交代と、事業所名・所在地・台数等の変更で届出を分けています。
これは東京都の案内です。自社の変更内容と必要書類は、使用の本拠を管轄する窓口へ確認します。警視庁「届出書類・方法」
日常記録については、保存場所、閲覧する担当者、記録を引き出す方法を別に残します。
警察庁Q&AのQ7は、確認者・運転者・日時・方法・結果等の記録と1年間の保存を示しています。後任が過去の一日分を探せるか、書類やシステムの場所を説明してもらうと、所在の抜けを確かめられます。警察庁Q&A・Q7
後任へ渡すのは、決定事項と残る質問
最後に、決まった事項と、管轄や実務担当者へ確認する事項を分けます。候補者の要件、届出、対応する時間帯、補助者の体制、記録の所在を、一人でまとめて決定するための表にはしません。
安全運転管理者の業務は酒気帯び確認だけではなく、運行計画や安全運転指導等も含みます。
社長が担う仕事を警察庁の業務一覧と照合し、日常の説明から抜けている仕事がないかを聞き取ることを勧めます。警察庁「制度概要」
承継の相談窓口には、退任予定日と後任候補、まだ説明できない業務をお知らせください。運転可否、確認方法の適合、実際の担当体制は、安全運転管理の責任者・実務担当者と管轄警察署に確認します。
※資料確認日:2026年10月20日。
参照した一次資料
- 警察庁「安全運転管理者制度の概要」 (2026年10月20日確認)
- 警察庁「酒気帯び確認等のQ&A」Q2・Q6 (2026年10月20日確認)
- 警視庁「届出書類・方法」 (2026年10月20日確認)
知りたかったことは分かりましたか
執筆:松本電業株式会社(電設承継パートナーズ)